2014/07/11

八重洲無線 クラス最薄特小トランシーバーSR100発表

先日特小無線機FTH-508をリリースしたばかりの八重洲無線から「STANDARD HORIZON」ブランドで新たな特定小電力無線機がリリースされました。

SR100 - 八重洲無線株式会社

(八重洲無線公式サイトから引用)


八重洲無線のSR100は単3電池1本駆動でスピーカー内蔵の無線機としてはクラス最薄の、だれでも買え単3アルカリ乾電池1本あればすぐに使えるトランシーバーです。

一時的な水没や砂没に対応し基本性能は先日リリースされたばかりのFTH-508とほぼ同一。FTH-307シリーズFTH-308シリーズに非搭載のバイブレータ機能も装備されています。





それでは両者の違いを見ていきます。SR100は先日発売開始されたばかりのFTH-508と比べおおよそ以下が異なるようです。

・本体がさらに0.5ミリ薄くなった

・縦横が2~3ミリ伸びた

・低周波出力(スピーカー最大音量)が1.5倍アップした

・再生ボタン装備

・電池積算使用時間インジケータ追加

・チャンネル表示が90度回転可能

・15秒の通話録音機能追加

・中継器使用時1mW送信機能追加

・バッテリー(乾電池or充電池)インジケータ手動設定

・外部マイク感度切り替え廃止

・内部マイク感度切り替え追加

・VOX機能廃止

・イヤホン断線検出機能追加

・サブ(予備)チャンネルセレクト機能追加

・充電池や充電器といった充電キットが非付属(オプション対応)



今度の特小無線機はなんと通話録音機能付きです。録音設定することで常時録音機能が働き、必要に応じて聞き逃した通話を再生できるようになりました。

チャンネル表示は90度回転しますがアンテナは回転しません。アンテナを無理に曲げようとすると壊れますので注意しましょう。バッテリーインジケータはトランシーバーの使用積算時間を表示しバッテリー寿命の目安をひと目で教えてくれる、これまでにはない試みです。

(個人的に)待望の1ミリワット連続送信機能が復活しVOX機能が廃止されました。そもそもVOX機能は通信開始の最初の言葉が切れてしまい、あまり実用的ではないためなくても問題にはならないと思います。

そしてサブチャンネルセレクト機能。これは混信の多い特小こそ必要な装備です。混信発生時、予備チャンネルへ簡単に移れる機能の追加は業務ユースにもレジャーユースにも嬉しいですね。

その他FTH-508ではLEDインジケータが省略されましたがSR100ではしっかりと復活していたり、グループコード/DCSコード設定がセットメニューへ移動したりと、細かな使い勝手の向上が図られています。


補足を1点。これはメーカー完全保証外の使い方で説明書に「絶対に使用しないでください」の表記はありますが敢えて取り上げます。FTH-307, FTH-308, FTH-508では市販の単3ニッケル水素充電池の性能を十分に引き出せないことがありました。SR100でも「絶対に使用しないでください。」と記載があるものの、あくまでもメーカー保証外ですがバッテリーインジケータ設定の追加により市販のニッケル水素充電池がより性能を引き出して使えるかもしれない?ように変更されました。





ここで、なぜ八重洲無線がこれほど同時期に基本機能や性能がほぼ同じ製品をリリースするのか少し考察します。

FTH-508も含めこれまでの八重洲無線の特定小電力トランシーバーは「STANDARD」という"業務用無線通信機器"ブランドを身にまとっていました。今回リリースされたSR100は「STANDARD HORIZON」という"レジャー・特殊用途向け通信機器"ブランドです。

八重洲無線のトランシーバーのデザインをあらためて振り返りますと最近の「STANDARD」特小には堅牢さ、シンプルさが見て取れますがSR100はまるで「ガンダム」に登場しても不思議ではないロボットキャラクターのようなポップな装いです。この外観の違いこそターゲットとするユーザーの明確な違いと思います。

今回SR100がわざわざ「スタンダードホライゾン」ブランドで登場した経緯はもしかするとSTANDARD HORIZON無線機ユーザーから「洋上は携帯電話がつながらないからだれでも使える船内連絡用の無線機を作って欲しい」というニーズに応えた結果なのかもしれません。



以上のようにSR100はレジャー用途、前回リリースされたFTH-508は業務用途という住み分けができていると考えます。それにしてもまさか新製品リリース直後にまた新製品を投入するとは予想外でした。気分はまさに特小祭りまっただ中です。

SR100のキャラクターはどことなくFTH-80(モトローラのMS80)に通じる部分もあります。6色のボディーカラーから好みの色を選べることもありどことなく八重洲無線らしくないような気もしますが(笑)、様々なアウトドアファンへ広告することでSR100はより幅広い層から支持されるのではないでしょうか。

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